ぶっちゃけ中華圏の芸能界情報を知らなくても何不自由なく中華圏で生活できますが、やっぱり必要最低限は知っておいた方が得すると思います。日本人で日本の芸能情報に興味が無い人は殆どいないはず…。それと同じで海外の芸能情報って現地の人との話のネタにもなるので、案外重宝したりするものです。そこで、僕が過去中国に滞在した経験を踏まえて、中華圏の芸能界の情報について思うことを知っている範囲で語っていきます。
主に中華圏の芸能界の市場は大きく「大陸、香港、台湾」の三ヶ所に分けれます。中国と一言で言っても、人口が10億人を超える超巨大国家ですから、市場が日本とは桁違いですし、中国語は広義だと北京語のみを指すのではなく、広東語や上海語などの方言も含まれます。これらは同じ漢字を使用する方言ですが北京語と比較して、もはや外国語と言っていいくらい発音が違ったりします。そのため、標準語と大阪弁のような違いではなく、英語とフランス語くらい違います。しかも、中華圏の国は、中華人民共和国だけではなく、香港&マカオ(事実上独立国)、台湾(中華民国)、シンガポール(華僑が人口の約70%)、マレーシア(華僑が人口の約25%)など広く点在していますから、市場が様々なのは当然ですね。
言うまでもなく、中国人の圧倒的な人口の割合を占めるのが大陸(中華人民共和国)です。しかし、これだけの人口が居るにも関わらず大陸の芸能界は昔は際立ったスターはあまり見受けられなかったように思います。と言うのも、社会主義の影響力が強い国だったからです。何故社会主義の影響力と関係あるかと言うと、早い話、国によって芸能活動をも規制されてしまうからでではないかと。国に都合の悪い発言、風俗的に乱れていると見なされるものは論外でしょう。かなり極端な例を挙げると北朝鮮をイメージしてもらうと良いかと。しかし近年は、経済自由化を掲げているため規制が少なくなってきているため、以前よりかは自由に芸能活動をしやすくなってきています。現に近年になってから沢山のスターをアジア・世界に輩出し続けています。
香港は1997年に中国に返還されるまで、約150年間イギリスの植民地だったため独自の文化が発展を遂げました。97年に返還されてから晴れて「中華人民共和国香港特別行政区」となりましたが、通貨や法律、言語までもが中国本土とは異なります。例えば、香港では香港ドルが法定通貨として流通しており、基本的に中国人民元は使用不可能です。また、中国本土では使用できなかったLINEやFacebookが香港に入った瞬間規制解除されて使用できるようになります。更には、広東語と言う香港周辺の方言があるのですが、発音が全く違います。例えば「你好」を無理やり日本語に直すと「ニーハオ」なのに対し、広東語だと「ネィホゥ」です。ある程度北京語をかじったことある人が、香港のの映画を吹き替え無しで見ても話している内容が伝わらないというのはよくあるパターンでしょう(笑)香港はイギリスの影響力が強いため高度な経済自由度を誇り、芸能界も規制されることが殆どなかったため、アジアを代表する数々の大スターが誕生しました。そのため、昔の中国のスターと言って思い浮かべるのは実は香港の俳優だったということも多いはず。例えば、ジャッキー・チェン(成龍)、ブルース・リー(李小龍)何かがその代表例かなと思います。最近は大陸の市場を意識して北京語で歌うアーティストが増えてきていますが、昔のアーティストの歌を聞いても殆ど広東語なので、何を言っているかさっぱりわからないのが残念なところではあります…(泣)
中華圏の音楽業界において最も長らく強い影響力があったのは、間違いなく台湾でしょう。そもそも、台湾は1949年に国民党(中華民国)率いる蒋介石が、共産党(中華人民共和国)率いる毛沢東との戦争で大陸から撤退し、台湾島に中華民国の臨時首都を移して以来約70年近く中華民国が今でも実行支配をしており、実質的な国家とみなされています。台湾は民主主義を掲げている国家なので、中国のようなメディア規制が少ないです。そのため、現在に至るまで数々のスターを輩出し中華圏の芸能界をリードしてきました。90年代頃まで中華圏で流行っている殆どの曲は台湾若しくは香港のアーティストが歌っていました。台湾の代表的なスターの一人として、テレサ・テン(鄧麗君)が挙げられるでしょう。香港と同様に、昔の台湾のヒット曲は日本語の曲のカバーが多かったですが、近年はアジアナンバーワンアーティストと言っても過言ではない、ジェイ・チョウ(周杰倫)など新生代のスターも台湾から誕生しています。
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